なんですか? これ

気が向いたらなんか生える

凋叶棕『△』感想

こんにちは。るなです。新年から狂った記事をお届けするぜ。

もう定期的にブログを書くとかは無理なことがわかったから、なんかあったときに長くなるようなら書いていきたいね。去年見たアニメとか書きたい。

 

2021/12/31 C99 お疲れ様でした。

無事欲しいものは全部手に入りました。セプテントリオン、当日からめっちゃ高騰してて笑っちゃった。俺のは渡さない。

 

ということでそこで頒布された凋叶棕新譜『△』の感想とか解釈とかです。昨日の夜初めて聞いたのでほぼ書き殴り

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ネタバレない範囲での所感

一言でいうとカルトCDでしたね。しかもとびっきりの邪教

他の人に凋叶棕の話をするときにカルトサークルなどと半ばネタで言ってましたがこれからは堂々と言える!

告知通りちゃんとSFをしているという感触。全体像をざっくり掴む分にはそんなに難しくないかもと思ったり。隠し要素をちゃんと見つけてくればだいたいわかってくる。

どんな人におすすめかというと秘封倶楽部が大好きな人におすすめです。

 

 

※以下ネタバレ注意

 

一応順番に書きますが解釈を優先するので紹介してない内容が出てきたりします。

まあネタバレありだからいいよね。

 

装丁

ジャケット自体にはこれといった仕掛けなし。開くとまず異様な盤面が目を引く。異様な盤面、めっちゃ好き。

 

バックインレイはいわゆる「ミーム拡散」みたいなやつ。あるいは「PROJIECT TETRA DATA DISC」の簡易取説。普通にインターネットかなんかで拡散していると思ったけど今見るともしかしてこれ”世界”か。

 

ブックレットは4P冊子+歌詞カード。

内容はいきなり難解なことが書いてあるが、その説明をする前に今の宇宙の状況を理解する必要がある。(サム8語録を普通に使う日が来るとは)

とりあえずはこの「システム」によって救済されていく周辺の宇宙の様子が収録されていることがわかればOK。初見ではそれしかわからんかった。

 

より詳しくは

コード(U~~)は、1ブロック目が宇宙の深度。残りの部分が可能性宇宙の座標。2つあるのがわからないが絶対座標と相対座標みたいなものかなあ。

この世界では宇宙が過去にも未来にも無限に連なっている。これは多分宇宙論とかでも否定されてない仮説だったと思うけど(うろ覚え)、イメージとしてはジョジョ6部でプッチ神父が説明してたアレみたいな感じで宇宙が崩壊と再構成を繰り返してるのかなあ、と思う。

また時間的に同じ宇宙でも可能性宇宙として複数の宇宙が存在している。つまり無数の可能性宇宙の組が時間的に連なっている、という解釈をした。

上位宇宙とは時間的に未来の宇宙、下位宇宙とは過去の宇宙であり、未来から過去にのみ「メッセージ」を送ることができる。

 

内容について

神聖なるメッセージ

彼方から届いたメッセージ、それは神託かボトルメールか......

途切れ途切れのメッセージというだけで好きみたいなところある。

これの正体は後ほど。

 

秘封倶楽部化計画

メサイアメサイア!ハレルヤ!ハレルヤ!

おそらくバックインレイの世界の話。この曲のみU0001の世界、つまりこのCD上では最上位の世界の出来事である。

初手カルトソング。アイドル秘封がかわいい。俺も信仰していいか?偶像崇拝とは に幻想を見ること。

諦観された世界と希求された滅び、いいよね。全体的にアップテンポでノリが明るいことと歌詞の投げやりさが好きで全体でも上位に入る。

秘封倶楽部にどこまでも魅入られてしまった私達とは彼らなのだ。

 

μετέωρο

ミーティアミーティア

これ以降はU7731のお話。おそらく”この宇宙”と同じ階層の可能性宇宙だと思う。

流星を落とすメリーが美しい。ちゃっかり鳥籠に黒い鳥を囲っている、この娘はそういうところがある。

天が落ち、全ての幻想は終わる。これもかなり好きな曲。

かなり解釈が難しい曲でもあった。このサークルのメリーといえばあちら側に行ってしまうことだがどうにもそういう規模ではなさそう。トリフネを落としているのかとも思ったがそういう距離でもなさそう。もう一人の姿が見えないことから彼女の方に何かあった世界線か、メリーがあちら側に行くことなく”終わった”秘封倶楽部のお話かと思ったり。

 

シン・汎用合成クラスメイト:宇佐見227号

合成と天然の意味が反転した世界のお話。

今までみてきた菫子のなかで一番強い菫子だ......

元の曲を聞いたときは深読みして生化学的に合成されたクラスメイトとか考えていたが普通にロボットだった。授業受けてるのがちょっとシュール。

終末からは一番離れているようにも思えるが、果たして天然の彼らは夢を見るのか、あるいは全てのエラーによって。

 

夏の終わり/世界の終わり

はなだひょうさんの小説を元にした三次創作。元の小説を読むとだいたい何が起きてるかはわかる。

セカイ系大好きくんなのでぶっ刺さった。タイトルと夏の向こうへ~の部分と愛おしい狂気と~と「そうだね いかれてるよね」が特に好き。だいたい全部。終末電波も好きなので二重に刺さる。特効?まずタイトルが刺さるんだよね。イラストも完璧。CGで見たやつだ・・・!

さよならだ 吹き飛んじまえ

 

Then Dead Laughs

デン・デ・ラ!

今回一番はっちゃけてると思う曲。まずイラストが面白すぎる。でもビビットな色使いが素敵。2曲前であんなにかっこよかった会長があられもない姿に・・・

パロディもごちゃごちゃ入ってて闇鍋感がすごい

ところで他の世界では秘封倶楽部によって世界が終末を迎えているわけですが、もしかして墓荒らししてたらやらかしました????

 

預言者メリー

これはマザーコンピューター系のやつ。管理系ディストピアと秘密を暴くことの相性はエグいっすね......

預言パートでラップを使うの発想が凄い。「だから云ったじゃない」いいですね。とても。

この曲もけっこう解釈が難しくて、どのパートをどの立場の人が歌っているのかわからない。

ヨ言者は預言者/予言者(実は意味が違う)と考えました。M.A.R.Yは全ての不安・秘密・不確かさを取り除いているようですがこれは他の近しい可能性宇宙を観測しているのかなと。本来は「神にも等しい上位」から情報を得て世界を幸せに導くはずが、ただ明日を完璧に予測するものと化してしまったのだと。

問題は誰が作ったかで、最後の歌詞の『私たち』が『貴方たち』に作ったのでしょうがこれは誰なんだろう。「PROJECT TETRA」に気づいた上の階層から送られてきたものだったりするんですかね。単純に考えるならこの世界が一度滅びかけて持ち直したとかかなあ。

なんにせよこのアルバムのなかでも特にSFらしい主題で好き。終末後に取り残された機能の話、いいよね。

 

まざりあうせかい

まさに「禁忌の膜壁」のようなサイケデリック(でいいのか?)なイラストが目を引く。美しい。

究極の真実を暴き《常識/非常識》が混ざりあってしまう終末。メリーがあちら側に向かうルートの別エンドっぽい

早い話が人類補完計画なのでそちらを参照した。かつて(今も?)博麗大結界が崩壊すると補完みたいになるという設定の二次創作がいくつもあったのを思い出したり。歌詞中の∃(不可思議のテーゼ)は全体の中のある一つという意味合いの記号なので、まざりあってしまったせかいの中のある一人、かなあ。

エヴァを始めとして”補完(のようなもの)”が出てくる作品では最終的に現実(元の世界)をとることが多いなかでの「さあ 夢でいましょう 幻想でいましょう」の部分が好き。秘封倶楽部は二人で1つ!

今回は本当に好きな曲が多いので好きしか言ってないな

 

ゴーストリー・プラネット

『まざりあうせかい』の対となる曲。私達は皆同じ世界に生きていてかつ誰も同じ世界には生きていない。絶対的な孤独を受け入れ、それでも重なり合う世界の揺らぎと干渉への祈り。

あるいは滅びてしまった世界からの歌声か。アルバムの趣旨から考えるとそう。何をどこに歌ってるかを考えるとかなり邪悪なんだが・・・

ららら曲でもあり、アウトロの余韻が沁みる。

 

あんま関係ないけど他の世界に「メッセージ」を送信している幽霊の歌声という解釈を見かけてステラリスの幽霊信号を思い出した。あれ元ネタあるのかな

 

N/A

ERROR!!

燃え曲。『ゴーストリー・プラネット』からのこれはズル。初聴時は「オイ!!」って叫んでしまった。少女秘封倶楽部良すぎ……。

N/AはNot applicable(該当なし)かNot available(利用できない)という意味のエラー。参照元が変になってたりすると出るやつ。

あらゆる方向で解釈できそう。この世界の希望とも、あるいはこの世界の救済とも。

個人的に少女秘封倶楽部秘封倶楽部活動中!というテーマソングなのだが、このアルバムでそれが意味するところはつまり・・・。救済が起きた後の世界の情報が送られているようなので、未然あるいは進行中のところを参照したらエラーを吐くと思う。我ながら最悪度の高いような…

 

 

 

 

Archive of U7730-7596501-068954619

隠し要素1。帯裏QR。ボケなのでしばらく見落としてた。

その内容は事態の真相に気づいた1つ上の世界U7730から送られてきたデータとメッセージ。半分壊れてる。

データの方は『タイムトラベラーのあなたへ』『そしてすべては風となる』『メメントの柩』『0-1-01-A-01-A-Mの路地裏で』のインスト4曲。今回インスト少ないなぁとは思ったけどこんなとこに隠されていたとは。てか作りすぎでしょ、嬉しい。

どれもどこか寂寥感の漂う感じでエンディング曲みたいな雰囲気がある。完全に滅びてしまった宇宙たちの曲。『ゴーストリー・プラネット』の歌声とはこれのことかもしれない。

メッセージの方は真相についてのボトルメール、と思いきや秘封ミーム汚染の末期症状が見られる。僕ももう秘封倶楽部なしの宇宙なんて考えられないんだ・・・。

 

 

 

 

 

”原点”へ到達せよ

隠し要素2。原点にして『神聖なるメッセージ』の元データ。

オイオイオイ!という気持ち半分、元の秘封倶楽部が普通の学生をしていてよかったという気持ちが半分。特に台本以外のこと喋ってるパートがめちゃくちゃかわいい!すみちゃんすみちゃん

 

『神聖なるメッセージ』とは秘封倶楽部(原点世界の秘封倶楽部は普通のサークルか部活っぽい)の活動として下位宇宙に送られたメッセージ。U0001-9134845-120368896くんさぁ・・・。まあ元々崩壊寸前だったところに本当に別の宇宙からメッセージが来たら救世主と考えてしまうのも無理はないか...。ボトルメールの間隙はあらゆる解釈を孕み真実を塗り替えてゆく。

しかしこの終末秘封カルト、思想もぶっとんでいれば技術力も高すぎる。滅びゆく世界の全力をこれに注いだんでしょうかね。テトラを△にしたのもこの人達だと思う。単なる媒介者が三柱と並ぶことはないのだ。

どうやって秘封倶楽部が世界を滅ぼすというコードを送っているのかも少し考えたのですが、東方の世界観では世界に記憶の層*1というものがあるので、ここに書き込んでいるとかですかね。

 

感想

なんてもんインストールさせたんじゃい!!!!!!!

という気持ちが強いですね。これが何かわかった後だと。

それとして秘封倶楽部でSFで終末というのでまた秘封倶楽部がかわいそうな目に合うのかと思ったら全く裏切られました。アルバムの構成要素全てが作品という色が強く出ていて楽しかったし秘封好きなので好きな曲も多くて嬉しい!SFとしても面白かった。

最悪よりのCDといえばそうなのですが、むしろ性癖CDでした。秘封倶楽部のために世界が滅ぶのならそれは救済なので。僕は本当に秘封倶楽部に滅ぼされたいと思ってしまった・・・

 

かくして、三千世界の全てを壊し”秘封倶楽部”は進み続ける。

*1:東方香霖堂参照。ざっくりいうとアカシックレコードみたいなもんだと思っている。